粘度

素材:ガラス 技法:ホットワーク
サイズ:H320×W310×D330mm/H500×W230×D160mm/H390×W220×D180mm/H340×W330×D320mm

佐藤 友樹Yuki Sato

作者によるコメント

ガラスを専攻し新しい表現を探している頃、 『異素材を混ぜる事によって新しいテクスチャーが生まれる』 その発想はガラス作家の神代良明さんの作品の製法を知った時から始まります。 それから美術専門店やホームセンターで得られる金属や粘土などをガラスと混ぜてきました。 中でも""粘土""と""吹きガラスの技法""が組み合わさり生まれた《粘り気を帯びたガラスの構造体》は新鮮で美しく感じました。 加えて、この技法は吹き具合や加熱時間によってガラスの表情が多様に変化します。ガラスの新しい表現を探していた私にとって続けるのに十分な理由となっています。

担当教員によるコメント
教授・馬越 寿

佐藤は2年次の頃から「新しい表情を見つけたい」という確固たる思いを持って探究していたように思う。様々な試行・リサーチ・考察・また試行、を繰り返し今作で用いている「油土と柔らかいガラスを混ぜ合わせる(練り合わせる)」手法に辿り着いた。そういった仕掛けを施したガラスに息を吹き込み膨らませることで表面や膨らませた内部に現れる表情や構造の美しさを素直に表現した良作となっている。ただ「新しい」から良いのではない、確かに普通に生活していたら目にすることはないガラスの表情ではあると思う、これまで数多くの作家が同様に試行をしてきており、マイナーな部分での「目新しさ」はあれど、「新しい」とは何なのだ?という問いは繰り返されている。今作にはこの手法に絞り込んでからの佐藤の「こうありたい」を見つける奮闘の痕跡が刻まれており、そうして培われた自身の美意識というものが明確に表れている。その点を高く評価したい。

ガラスを専攻し新しい表現を探している頃、 『異素材を混ぜる事によって新しいテクスチャーが生まれる』 その発想はガラス作家の神代良明さんの作品の製法を知った時から始まります。 それから美術専門店やホームセンターで得られる金属や粘土などをガラスと混ぜてきました。 中でも""粘土""と""吹きガラスの技法""が組み合わさり生まれた《粘り気を帯びたガラスの構造体》は新鮮で美しく感じました。 加えて、この技法は吹き具合や加熱時間によってガラスの表情が多様に変化します。ガラスの新しい表現を探していた私にとって続けるのに十分な理由となっています。

佐藤は2年次の頃から「新しい表情を見つけたい」という確固たる思いを持って探究していたように思う。様々な試行・リサーチ・考察・また試行、を繰り返し今作で用いている「油土と柔らかいガラスを混ぜ合わせる(練り合わせる)」手法に辿り着いた。そういった仕掛けを施したガラスに息を吹き込み膨らませることで表面や膨らませた内部に現れる表情や構造の美しさを素直に表現した良作となっている。ただ「新しい」から良いのではない、確かに普通に生活していたら目にすることはないガラスの表情ではあると思う、これまで数多くの作家が同様に試行をしてきており、マイナーな部分での「目新しさ」はあれど、「新しい」とは何なのだ?という問いは繰り返されている。今作にはこの手法に絞り込んでからの佐藤の「こうありたい」を見つける奮闘の痕跡が刻まれており、そうして培われた自身の美意識というものが明確に表れている。その点を高く評価したい。