HONG Shile が4年次の初めに提示した、一見粒状のガラスどうしを儚く溶着したシートを積み上げただけとも見える作品が非常に印象に残っている。そのシンプルな成り立ち故に現れる半透明のガラスの豊かな陰影に感動を覚えた。自身もこの手法に手応えを覚えたのだろうか、そこから「表現する」こととの格闘が始まった。「儚い」こととある大きさの作品(構造体)を成立させることとの狭間で苦心したり、「表現したいこと」とガラスという物質とにギャップを感じてしまったり。しかしその試行の数々は着実に自身のものづくりの道筋を組み上げて行ったのであろう。今作では「同じようで違う日々の風景の記憶」というものをガラスのレイヤーになぞらえたりしながら、現時点でのHONG の「ガラスで表現するということ」を高いレベルで見せてくれたように思う。ただ「この先」にも非常に期待するものである。
HONG Shile が4年次の初めに提示した、一見粒状のガラスどうしを儚く溶着したシートを積み上げただけとも見える作品が非常に印象に残っている。そのシンプルな成り立ち故に現れる半透明のガラスの豊かな陰影に感動を覚えた。自身もこの手法に手応えを覚えたのだろうか、そこから「表現する」こととの格闘が始まった。「儚い」こととある大きさの作品(構造体)を成立させることとの狭間で苦心したり、「表現したいこと」とガラスという物質とにギャップを感じてしまったり。しかしその試行の数々は着実に自身のものづくりの道筋を組み上げて行ったのであろう。今作では「同じようで違う日々の風景の記憶」というものをガラスのレイヤーになぞらえたりしながら、現時点でのHONG の「ガラスで表現するということ」を高いレベルで見せてくれたように思う。ただ「この先」にも非常に期待するものである。
作者によるコメント
幾千万の空を集めて、気持ちの欠片を拾うように、心象風景の具現化を目指していく。 早朝から夜中までの空をテーマに五つに分けて景色を描く。 私たちは、日々二度同じ景色を見ることができない。でも毎日の風景は似てもいる。その風景は、新鮮に感じる日もあれば、懐かしいと思う日もある、折り重なるように記憶の中に刻まれていくだろう。
担当教員によるコメント
教授・馬越 寿
HONG Shile が4年次の初めに提示した、一見粒状のガラスどうしを儚く溶着したシートを積み上げただけとも見える作品が非常に印象に残っている。そのシンプルな成り立ち故に現れる半透明のガラスの豊かな陰影に感動を覚えた。自身もこの手法に手応えを覚えたのだろうか、そこから「表現する」こととの格闘が始まった。「儚い」こととある大きさの作品(構造体)を成立させることとの狭間で苦心したり、「表現したいこと」とガラスという物質とにギャップを感じてしまったり。しかしその試行の数々は着実に自身のものづくりの道筋を組み上げて行ったのであろう。今作では「同じようで違う日々の風景の記憶」というものをガラスのレイヤーになぞらえたりしながら、現時点でのHONG の「ガラスで表現するということ」を高いレベルで見せてくれたように思う。ただ「この先」にも非常に期待するものである。