エロクロ

素材:陶土、木材 技法:ろくろ
サイズ:作品含む展示台=H1150×W1800×D1800mm/作品含む椅子=H900×W450×D450mm/作品8体辺りの最高値=H450×W550×D500mm

伊藤 舞柚ITOU Mayu

作者によるコメント

初めてエロを知った時の衝撃とエロとろくろをテーマに、ある角度から見ると乱交しているぬいぐるみを、ろくろで表現した。 私が初めて、エロというジャンルを知ったきっかけは、コメディ映画や歴史漫画からの突然のセックスシーンだった。自分が知らない世界と、想像していない物からの突然のエロというジャンルは物凄く衝撃的で、それからエロが私の脳内にいるのは日常茶飯事だ。 しかし、エロと言うと苦手意識を持つ人が多い。癒しや可愛らしさの印象が強く、エロと直接的には、連想されにくいぬいぐるみの形を選択し、当時の衝撃に重なる情景を制作した。ある角度から見ると、可愛らしいぬいぐるみたちがセックスをしているギャップを感じて貰いたい。

担当教員によるコメント
准教授・塩谷 良太

ピンク色の台にぬいぐるみを模したやきものが所在なさげに点在している。ロクロ成形による肢体を組み合わせて焼き固められたそれらは、微妙な間合でぎこちない姿勢を保つ。距離を置いた位置に据えられた一体の視線から台上を眺めて、初めてそこが性交現場であることに気付かされる。ひねりの効いた仕掛けであるが、観者はそうと知る前から奇妙な如何わしさに囚われるだろう。 作者は作り手の機微を如実に写し取るロクロを用いることにより、自らの息づかいをモノにとどめることに成功した。その動機としての「エロ」は、手と素材を介した身体化によって、短絡的なイメージに帰着することを免れている。無表情で行為に励む愛玩物は、私たちに人間の性(さが)を突きつけているかのようだ。

初めてエロを知った時の衝撃とエロとろくろをテーマに、ある角度から見ると乱交しているぬいぐるみを、ろくろで表現した。 私が初めて、エロというジャンルを知ったきっかけは、コメディ映画や歴史漫画からの突然のセックスシーンだった。自分が知らない世界と、想像していない物からの突然のエロというジャンルは物凄く衝撃的で、それからエロが私の脳内にいるのは日常茶飯事だ。 しかし、エロと言うと苦手意識を持つ人が多い。癒しや可愛らしさの印象が強く、エロと直接的には、連想されにくいぬいぐるみの形を選択し、当時の衝撃に重なる情景を制作した。ある角度から見ると、可愛らしいぬいぐるみたちがセックスをしているギャップを感じて貰いたい。

ピンク色の台にぬいぐるみを模したやきものが所在なさげに点在している。ロクロ成形による肢体を組み合わせて焼き固められたそれらは、微妙な間合でぎこちない姿勢を保つ。距離を置いた位置に据えられた一体の視線から台上を眺めて、初めてそこが性交現場であることに気付かされる。ひねりの効いた仕掛けであるが、観者はそうと知る前から奇妙な如何わしさに囚われるだろう。 作者は作り手の機微を如実に写し取るロクロを用いることにより、自らの息づかいをモノにとどめることに成功した。その動機としての「エロ」は、手と素材を介した身体化によって、短絡的なイメージに帰着することを免れている。無表情で行為に励む愛玩物は、私たちに人間の性(さが)を突きつけているかのようだ。